『ロマンを現実にする事業を生み出す』Homing第1期生の秋久智哉さんインタビュー

『ロマンを現実にする事業を生み出す』Homing第1期生の秋久智哉さんインタビュー

創業スクール「Homing」の1期生で、2019年2月に合同会社「ネコノテモカリタイ」を創業した秋久智哉さんにお話しを伺いました。

(インタビュアー:武川和憲)

 

創業スクール「Homing」に参加したきっかけ

 

―創業スクール「Homing」に1期生として参加していただきましたが、Homingを知ったきっかけ、参加しようと思った動機は何でしたか?

小さいころから自分で事業をやりたいという想いがあり、大学を休学して「さて、なにをやろう」と考えていました。そこに、知り合いの山田さん(Homing第1期のメンター)に「創業スクールやるから来てみなよ」と声をかけてもらったことがHomingを知ったきっかけですね。このときに、Homingのウェブサイトを見て「おしゃれだな」と。ウェブサイトから、これまでの創業スクールとは違う新しい感じ、楽しそうな感じが伝わってきて、参加することを決めました。

▼「Homing」ウェブサイトトップページ

―ウェブサイトで、「楽しく優しい創業スクール」のイメージを表現しようというのは当初から決めていたので、そこに反応していただけたのはとてもうれしいです。

ウェブサイトがいまのデザインじゃなかったら、参加していなかったかもしれません(笑)

 

創業スクール「Homing」に参加してみて

 

―Homingに実際に参加してみてどうでしたか?参加したことで何か変わったことなど。

Homingに参加して一番大きかったのは、ひととの繋がりがたくさんできたことですね。
スクール生同士の繋がりもそうですし、運営スタッフの方との繋がりも。自分と志が同じひとたちが交わる機会っていうのがなかなかないですし、しかも生みの苦しみを共有している仲間がいるというのは、事業をやっていくうえでHomingを修了した今でも大きいモチベーションになっています。
あと、飲み会があったのもよかったですね。講義のときはあまりスクール生同士で話す時間がなかったので、腹を割って話す機会をつくってもらえたのはよかったです。

▼スクール生が一気に仲良くなった第1回スクール後の飲み会

▼講師の家入一真さん、平田はる香さんと語った第3回スクール後の飲み会

―第1期は講義がメインになったところがありました。今年行う第2期はスクール生同士が話す時間というのもカリキュラムに入れようと思っています。メンター対スクール生だけでなく、スクール生対スクール生でお互いに事業のブラッシュアップができればよりいいかなと思います。

スクール生で話す機会が増えるんですね。2期生が羨ましいです(笑)

 

合同会社「ネコノテモカリタイ」とは?

 

―話は変わって、2019年2月に立ち上げられた合同会社「ネコノテモカリタイ」ですが、どういったことを事業にしている会社でしょうか?

社名の「ネコノテモカリタイ」というのは、慣用句的に言うと「猫でもいいから手伝ってほしい」というものですが、僕は「みんなで事業を創っていこう」という意味で捉えています。
今後やっていきたいのは、「身の周りのひとのロマンを現実にする」事業です。
例えば、小さいころ家庭にお金がなくて塾に行けなかった友人がいるのですが、彼のようなこどものために、“宝払い”の塾を創るとかですね。大人になってお金を稼ぐようになってから、受講料を払いに行くんです。
こういうの、わくわくしません?

―します(笑)まさにロマンですね。こどものときにしっかり教育を受けてもらって、稼ぐ大人になってから払ってもらうという。

そうです。ただ、やはりロマンだけではだめで。「ロマンとそろばん」という言葉を大切にしているんですが、ロマンを現実にすることとお金を稼ぐことのバランスをきちんと取りながらやっていかないとと思っています。
いま実現に向けて動かしている事業が、岡山県に特化したインターンプロジェクトです。多くの学生にとっての社会との接点は就活が最初になると思うんですが、もっと緩やかに、時間をかけて社会と繋がった方がいいんじゃないかと思うんです。
職業の選択は一生を左右するかもしれない大きな決断なので、大学1年生のときからインターンという形で社会と関わりながら、将来のことを考える機会をつくります。とはいえ、いきなりインターンに参加するのもハードルが高いですし、学生を受け入れる企業のメリットも必要なので、ここが考えどころですね。
数人の学生が岡山の企業にインターンに行き、その様子を撮影した動画を大学の講義室や食堂、廊下などにプロジェクタで投影することで、学生にインターンのイメージを持ってもらいつつ、企業のプロモーションや新卒採用に役立てるということを考えています。
大学生であり社会人でもある自分が、学生と社会(企業)とのハブになって、双方にとってwin-winの関係をつくれたらと思っています。

 

起業するまでの経緯

 

―いま大学を休学中とのことですが、合同会社「ネコノテモカリタイ」立ち上げのために休学されたのでしょうか?

結果としてはそうですね。実は、はじめは東京で起業しようと思っていて、上京するために休学したんです。当時は「東京で10億稼いでやる!」と意気込んでいました(笑)。
でも、東京でたくさんの社長さんに会うなかで、自分はなにがしたいのか迷うこともあって。会ったひとの分だけ、自分の中にいろんな価値観が生まれて、頭の中でひしめいていたんです。
そんなときに、ある方と出会ったんですが、その方は世の中で当たり前とされていることに「なんでこれはこうじゃなきゃいけないの?」と素直な疑問を持たれていて、「もっとこうした方がみんな幸せだよね」という発想で新しいサービスをつくっていたんです。そのときに、「僕がやりたいのも、常識に囚われず、本当にひとを幸せにするサービスだ!」と思いました。同時に、「こんなすごいひとがいる東京では、いまの自分では勝負できない」と思って岡山に帰りました。すごく大きい挫折を経験したんですが、収穫も大きかったです。あの方に出会って自分がやりたいことに気づけたのが、東京での一番の成果であり、ターニングポイントでした。

▼起業直前の秋久さん(Homingビジネスプラン発表会)

 

起業への気持ちが芽生えたのはいつ?

 

―秋久さんが起業をしようと思ったきっかけは何でしたか?

きっかけはわからないですけど、物心ついたときから起業したいと思っていました。小学校の卒業文集にも「社長になる!」とか書いてましたし(笑)。
父親が建築関係の会社をしていてことも影響しているかもしれませんが、小さいころから雇われるという考えはなかったですね。

―稼業を継ぐというのは考えられなかったのでしょうか。

父親から「家業は継がせない」と言われてたんです。
父の会社は力仕事が主なので、若い頃はいいですが、歳をとるとどうしてもできなくなることがあるみたいで。なので、「おまえは頭を使って稼げ」と言われていました。

 

―珍しいですね、「家業は継がせない」というのは。

そうかもしれません。父の会社の運営についてアドバイスしたくなるときもあるんですが、口出ししないようにぐっと堪えてます。僕が継ぐことはないので、そこは線を引いています。

 

「ネコノテモカリタイ」の今後について

 

―先の話になってしまうかもしれませんが、「ネコノテモカリタイ」を今後どのような会社にしたいですか?

まず、社名を変えたいですね(笑)。長すぎるので、もうちょっと言いやすい名前にしようかと。ただ、名前を変えるのにもお金がかかるので、しばらくこのままでいきます(笑)
…というのは冗談ですが、いつかうちの社内でベーシックインカムをつくりたいですね。
うちで働く映画監督志望や画家志望のスタッフが、例えば、ホテルのスタッフとして働き、生活に必要な分だけ稼ぎつつ、残りの時間を創作活動に充てるという。
めちゃくちゃ仕事しなくてもお金が入ってくる、でも、だからこそ、より仕事をしたくなる会社を目指しています。

 

―なるほど。むしろ、そういった本職ではないひとが接客するホテルだから、クオリティでは負けるかわりに、映画のことはめっちゃ話せるよ、とか。

いいですねそれ。それでいきましょう(笑)

 

―そのホテル、ぜひ実現してほしいです。本日はありがとうございました。

 

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現役大学生であり、起業家でもある秋久さん。

「ロマンをかたちにし、ひとを幸せにする事業をつくる」と目を輝かせて語る若き起業家の今後の活躍に、ぜひご期待ください。